特集 気管支喘息の研究 アップデート
III.気管支喘息のバイオマーカーをめぐって
杉浦久敏
1
,
一ノ瀬正和
2
Hisatoshi Sugiura
1
,
Masakazu Ichinose
2
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野 講師
2東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野 教授
pp.972-982
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307028
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気管支喘息は,気道の慢性炎症を特徴とする疾患であり,主として,Th2サイトカインやケモカイン,好酸球及び肥満細胞由来のメディエーターが炎症の形成に関与すると考えられている。近年,気道炎症をモニターする方法として,呼気ガス分析法,呼気凝縮液法,誘発喀痰法などの優れた非侵襲的気道炎症モニタリング法が開発され,用いられている。本稿では,気管支喘息における気道炎症のバイオマーカーについて紹介する。特に,最近,臨床応用が期待されている呼気ガス一酸化窒素測定に関する知見について,測定方法,意義,今後の可能性を含めて詳述する。