Japanese
English
特集 気管支喘息の新しい視点
炎症としてみた気管支喘息
Inflammatory Aspects in Bronchial Asthma
佐藤 篤彦
1
,
早川 啓史
1
,
岩田 政敏
1
,
谷口 正実
2
Atsuhiko Sato
1
,
Hiroshi Hayakawa
1
,
Masatoshi Iwata
1
,
Masami Taniguchi
2
1浜松医科大学第二内科
2藤枝市立志太総合病院呼吸器科
1The Second Department of Inteenal Medicine, Hamamatsu University School of Medicine
2Department of Respiratory, Shida General Hospital of Fujieda
pp.845-849
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900337
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はじめに
気管支喘息は喘鳴を伴う発作性呼吸困難を主徴とする疾患である.喘息症状はアレルゲン吸入のほか,運動,寒冷,気道感染,刺激性ガス吸入など種々の原因により誘発される.この非特異的刺激に対する気道反応の発現には,本疾患の病態生理学的特徴である気道過敏性の亢進が極めて重要な役割を果たしている.メサコリン吸入試験で判定される気道過敏性の程度は喘息の重症度と密接に関連し,いわゆる難治性喘息ではその著しい亢進が認められている.
近年,この気道過敏性を引き起こす要因として,気管支喘息の気道における炎症的側面が注目され,その発現機序と病態への関わりについて多くの知見が集積されつつある1-3).この結果,気管支喘息患者の気道においては,従来から主要なエフェクター細胞とされてきた肥満細胞に加えて,好酸球,リンパ球,マクロファージ等,種々の炎症細胞が多数浸潤し,これらの細胞間の相互作用に基づいて,サイトカインとケミカルメディエーターの複雑なネットワークが形成されていると考えられるようになった1-4).
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