特集 蕁麻疹の最新知見
Ⅶ.蕁麻疹と食物アレルギー・口腔アレルギー症候群との関連(成人例を中心に)
猪又直子
1
Naoko Inomata
1
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学准教授
pp.942-950
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201607062
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口腔アレルギー症候群(OAS)は,特定の食物を摂取した直後に,口腔咽頭症状が初発,主症状として現れる食物アレルギーである。OASの多くは,花粉と果物の間の交差反応によって生じるため,このタイプを狭義のOASとみなし,花粉-食物アレルギー症候群という別名で呼ぶことがある。狭義のOASは口腔症状に限局し軽症例が多いが,豆乳OASではBet v 1関連タンパクであるGly m 4が原因にも関わらず,例外的にアナフィラキシーに進展しやすい。また,ピマクレインPru p 7に消化管感作されて生じるモモアレルギーは,重症化しやすく,高頻度に現れる眼瞼浮腫は臨床的な予測因子になりうる。