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特集 感染症インテリジェンス -世界と日本の感染症情報を活用する-
各論 3.ウイルス性出血熱
Viral hemorrhagic fever
古宮伸洋
1
Komiya Nobuhiro
1
1日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部・国際医療救援部
キーワード:
ウイルス性出血熱
,
エボラ出血熱
,
マールブルグ病
,
一類感染症
Keyword:
ウイルス性出血熱
,
エボラ出血熱
,
マールブルグ病
,
一類感染症
pp.81-88
発行日 2017年8月25日
Published Date 2017/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201709081
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2014年にはじまった西アフリカでのエボラ出血熱の流行は,欧米にとっても公衆衛生上の脅威となった。ウイルス性出血熱は熱帯地域を中心として世界中に広く分布しているが,コウモリやネズミなど人間以外の哺乳類を宿主とする人獣共通感染症である。自然界からヒトへの感染は,直接接触,排泄物等の吸入,ダニなどの節足動物の媒介によって成立するが,感染対策が不十分な場合には医療機関などでヒト-ヒト感染を起こす場合がある。ウイルス性出血熱が流行地から日本に持ち込まれるリスクはきわめて低いが,グローバル化が進んだ現在,ウイルス性出血熱は「対岸の火事」ではなく,世界的な問題として取り組む必要がある。