特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
オリンピック時に問題となり得る感染症
ウイルス性出血熱
古宮 伸洋
1
1日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部
キーワード:
エボラ出血熱
,
マールブルグ病
,
ラッサ熱
,
クリミア・コンゴ出血熱
,
南米出血熱
Keyword:
エボラ出血熱
,
マールブルグ病
,
ラッサ熱
,
クリミア・コンゴ出血熱
,
南米出血熱
pp.69-72
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_69
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Summary
▪ウイルス性出血熱とは重症化や出血傾向のみられるウイルス感染症の総称で,その重篤性や感染性の高さからエボラ出血熱など5つが1類感染症に指定されている.いずれも発熱が主体の非特異的な症状を示し,病歴などから疑わなければ診断できない.
▪これまでは風土病としてあまり注目されていなかったが,西アフリカでのエボラ出血熱の流行では欧米にも飛び火して国際的な驚異となった.ウイルス性出血熱の患者が本邦で発生する可能性は低いものの,海外帰国後の発熱などでこれらの疾患が鑑別にあがる場面は少なくない.
▪流行国からの渡航者も今後増え続けることが予想されており,危機管理としてウイルス性出血熱に備える必要性は高い.
© Nankodo Co., Ltd., 2020