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特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
7.ウエストナイル熱/ウエストナイル脳炎
West Nile fever/West Nile encephalitis
小林進太郎
1
,
好井健太朗
2
Kobayashi Shintaro
1
,
Yoshii Kentaro
2
1北海道大学大学院獣医学研究院獣医学部門衛生学分野公衆衛生学教室 助教
2北海道大学大学院獣医学研究院獣医学部門衛生学分野公衆衛生学教室 准教授
キーワード:
ウエストナイルウイルス
,
脳炎
,
蚊
,
人獣共通感染症
Keyword:
ウエストナイルウイルス
,
脳炎
,
蚊
,
人獣共通感染症
pp.97-103
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708097
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ウエストナイル熱・ウエストナイル脳炎はウエストナイルウイルスを保有した蚊の吸血によって起こる人獣共通感染症である。その病態は,急性熱性疾患であるウエストナイル熱と,脳脊髄炎などの中枢神経系の症状を示すウエストナイル脳炎に分けられる。ウイルスは自然界では蚊とトリのあいだで感染環が形成されており,世界中で流行が確認されている。わが国ではこれまでにウエストナイルウイルスの流行は確認されていないが,流行のための媒介動物である蚊や増幅動物である野鳥が存在していることから注意が必要である。本稿ではウエストナイル熱・ウエストナイル脳炎の一般的な特徴や,米国を中心とした本病の流行について概説し,わが国における対策の必要性とともに述べる。