病気のはなし
ウエストナイル熱・脳炎
髙崎 智彦
1
1国立感染症研究所ウィルス第一部
pp.488-492
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101240
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新しい知見
米国に侵入したウエストナイルウイルスは,米国のほぼ全域に感染が拡大し,2002年には44州で4,156人のウエストナイル熱・脳炎患者が発生し,284の死亡例をみた.また,カナダでも約400人の患者が発生した.2003年になっても感染終息の気配はなく,米国では9,858人の患者発生と264の死亡例が確認されている(2004年2月25日現在,表).北米大陸のウエストナイルウイルスは,既にメキシコ・カリブ海諸国にも広がっている.
特殊な感染経路として,2002年の米国の流行では輸血や血液製剤での感染例や,臓器移植により感染した症例も報告されている1).米国防疫センター(Centers for Disease Control and Prevention,CDC)の報告によれば輸血によるウエストナイルウイルス感染が疑われる症例が確認された.さらに,母乳により感染した可能性がある新生児2),経胎盤感染が疑われる新生児症例も報告されている3).
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