Japanese
English
特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
3.デング熱
Dengue fever
嶋田聡
1
,
モイメンリン
2
Shimada Satoshi
1
,
Meng Moi
2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学専攻熱帯病・新興感染症制御グローバルリーダー育成プログラム/長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野
2長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野 准教授
キーワード:
デングウイルス感染症
,
重症デング熱
,
ネッタイシマカ
,
ヒトスジシマカ
Keyword:
デングウイルス感染症
,
重症デング熱
,
ネッタイシマカ
,
ヒトスジシマカ
pp.61-68
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708061
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ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されるデングウイルス感染症の流行は拡大傾向にあり,帰国後に診断される輸入例も年々増加しており,2014年には約70年ぶりに東京を中心としたデング熱の国内発生がみられた。デングウイルス感染症の多くは予後良好で自然軽快するが,ときに重症化し,2016年と2017年にそれぞれ,日本人の死亡例も確認されている。一方,日本に生息するヒトスジシマカはデングウイルスの媒介を有している。特に蚊が活発化する夏季にはウイルスの国内侵入に注意すべきであり,平時の蚊対策,早期鑑別診断およびサーベイランスが流行予防のもっとも重要なポイントとなる。