Japanese
English
特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
2.先天性ジカウイルス感染症の病理
Pathology and pathogenesis of congenital Zika virus infection
鈴木忠樹
1
,
長谷川秀樹
2
Suzuki Tadaki
1
,
Hasegawa Hideki
2
1国立感染症研究所感染病理部 室長
2国立感染症研究所感染病理部 部長
キーワード:
先天性ジカウイルス感染症
,
先天性ジカ症候群
,
病理
,
発症機序
Keyword:
先天性ジカウイルス感染症
,
先天性ジカ症候群
,
病理
,
発症機序
pp.54-60
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708054
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
2015年秋から,中南米,東南アジアを中心に大規模な流行となっているジカウイルスは蚊媒介性の新興感染症病原体であり,妊娠中の感染と先天異常との関連性が指摘されている。一般的に感染症による先天性障害は妊娠中に起こった急性感染から数カ月後に顕在化してくるという性質上,感染と疾病との関連性を証明することは容易ではないが,これまでにさまざまな疫学的根拠や臨床的根拠に加え,基礎研究的知見をあわせ,ジカウイルス感染が小頭症などの先天異常の直接的な原因となっていることが確定されている。本稿ではジカウイルスの先天性感染症という側面に焦点を絞り,先天性ジカウイルス感染症の病理と発症機序を中心に概説する。