特集 昆虫などによる健康問題
【海外渡航者における昆虫による疾患と対策】
デング熱
関谷 紀貴
1
,
味澤 篤
1
1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科
キーワード:
デング熱
,
フラビウイルス
,
ネッタイシマカ
,
デング出血熱
,
感染症法
Keyword:
デング熱
,
フラビウイルス
,
ネッタイシマカ
,
デング出血熱
,
感染症法
pp.444-446
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101708
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Case
発熱,頭痛を主訴に受診したデング熱の1例
患者:19歳,男性.
現病歴:生来健康な米国留学中の大学生.×年8月21日から9月6日までフィリピンのマニラやセブで,小児の腸管寄生虫駆除のためのボランティア活動を行っていた.帰国日から38℃の発熱が出現,翌日には目の奥の痛みと水様性下痢,右足の筋肉痛が出現したため,9月8日に入院した.
入院後経過:身体所見上で明らかな異常なく,入院時採血でWBC 4,200/μl,Plt 10.6×104/μlと血小板減少を認めた.マラリア迅速検査,末梢塗抹標本は2回陰性,デング迅速検査も陰性だった.各種培養は陰性,対症的に経過観察とした.入院4日目に自然解熱,5日目に四肢と体幹に淡い皮疹が出現した.同日のデング迅速検査再検で陽性となりデング熱疑いと診断,第9病日に退院した.後日,入院3日目の血液検体で3型デングウイルスPCR陽性だった.
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