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特集 わが国でも問題のベクター媒介性感染症
5.デング熱の世界的な流行と予防対策に関する将来的展望
Global situation of dengue fever and vaccine development
森田公一
1
Morita Kouichi
1
1長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野 教授
キーワード:
デング熱
,
蚊媒介性ウイルス
,
出血熱
,
ネッタシマカ
,
ヒトスジシマカ
Keyword:
デング熱
,
蚊媒介性ウイルス
,
出血熱
,
ネッタシマカ
,
ヒトスジシマカ
pp.59-65
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201402059
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デング熱・デング出血熱は依然として世界の熱帯・亜熱帯の国々で猛威を振るっており,WHOは毎年5千万人の感染者が発生していると見積もっている。わが国でも国内での流行は発生していないが,海外旅行から帰国して発症する輸入症例の増加が顕著である。感染予防としての蚊の防除対策もいまだ確立されていない。ワクチン開発については多くの機関で開発が進行中であり,遺伝子工学的手法で作られた生ワクチンが第 III 相の臨床試験の途中である。第一報の途中経過報告ではデング2型の感染予防効果が極端に低く,その原因について議論がされている現状である。有効なデング予防策構築への道はまだ遠い。