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特集 次世代シーケンサーが可能にした感染学の新しい展開
4.臨床への応用(Clinical sequencing) 4)法医学への応用
Forensic application using next generation sequencer(NGS)
柿崎英二
1
,
湯川修弘
2
Kakizaki Eiji
1
,
Yukawa Nobuhiro
2
1宮崎大学医学部社会医学講座法医学分野 准教授
2宮崎大学医学部社会医学講座法医学分野 教授
キーワード:
次世代シーケンサー
,
法医学
,
法科学
,
溺死診断
,
メタ16S解析
Keyword:
次世代シーケンサー
,
法医学
,
法科学
,
溺死診断
,
メタ16S解析
pp.143-151
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201707143
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法医学の実務・研究領域には,おもに死因究明や病態解析等にかかわる「法医病理学」の領域や,科学捜査・鑑定にかかわる「法科学」の領域などがある。次世代シーケンサー(NGS)がもっとも応用されているのは法科学の領域で,微生物の多様性に着目した新しい個人識別法や体液識別法の確立を目指すもの,死後の微生物叢の構成や遷移を調査するもの,さらにDNA型鑑定への応用などがある。一方,法医病理学の領域では,死因究明や死後変化・経過時間の解明に役立てる目的で,血液や諸臓器中の微生物叢を明らかにしたり,遺伝子異常を明らかにしたりするものなどがある。現在のNGSは汎用性や高速性に優れ,法医学の分野においてもその発展に欠かせない強力なツールとなっている。