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特集 次世代シーケンサーが可能にした感染学の新しい展開
4.臨床への応用(Clinical sequencing) 3)全ゲノム配列解析を用いた腸管出血性大腸菌の分子疫学的解析
Molecular epidemiological analyses using whole genome sequencing of enterohemorrhagic Escherichia coli
李謙一
1
,
石原朋子
2
,
泉谷秀昌
3
,
伊豫田淳
4
,
大西真
5
Lee Ken-ichi
1
,
Morita-Ishihara Tomoko
2
,
Izumiya Hidemasa
3
,
Iyoda Sunao
4
,
Ohnishi Makoto
5
1国立感染症研究所・細菌第一部 研究員
2国立感染症研究所・細菌第一部 主任研究官
3国立感染症研究所・細菌第一部 第二室長
4国立感染症研究所・細菌第一部 第一室長
5国立感染症研究所・細菌第一部 部長
キーワード:
腸管出血性大腸菌
,
分子疫学解析
,
SNP解析
Keyword:
腸管出血性大腸菌
,
分子疫学解析
,
SNP解析
pp.137-141
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201707137
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国立感染症研究所・細菌第一部における腸管出血性大腸菌(EHEC)の全国サーベイランスでは,分子疫学解析手法としてmultilocus variable-number tandem repeat analysis(MLVA)またはパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法が用いられている。これら従来法で型別困難または同一型であったEHECについて全ゲノム(WGS)解析を行ったところ,より高い精度での型別が可能であった。大規模,広範囲な集団感染事例が起こりうるEHECの調査においては,コストや迅速性の点で優れる従来法の利点を生かしつつ,WGS解析を加えることで,より詳細に集団感染関連株の特定や原因食品等の究明につながる調査が可能になると考えられる。