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特集 次世代シーケンサーが可能にした感染学の新しい展開
4.臨床への応用(Clinical sequencing) 1)メタゲノム解析による病原体検出-現状と課題-
Pathogen detection by means of metagenomics
中村昇太
1
,
飯田哲也
2
Nakamura Shota
1
,
Iida Tetsuya
2
1大阪大学微生物病研究所感染症メタゲノム研究分野
2大阪大学微生物病研究所感染症メタゲノム研究分野/細菌感染分野 教授
キーワード:
次世代DNAシーケンサー
,
メタゲノム解析
,
病原体検出
Keyword:
次世代DNAシーケンサー
,
メタゲノム解析
,
病原体検出
pp.119-125
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201707119
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感染症はさまざまな病原体によって引き起こされる。従来,個々の病原体を標的とした検出が行われてきたが,次世代DNAシーケンサー(NGS)の出現とコンピュータによる情報処理能力の向上は網羅的な病原体検出を可能としつつある。これまでに多くの研究者がNGSを用いたメタゲノム解析による臨床検体からの病原体検出を行っており,従来の検出法では難しかった病原体の検出も報告されている。一方で,「何でも検出できる」のではないかとの当初の期待からすると,病原体の検出率は必ずしも高くない現状がある。本稿ではNGSを用いたメタゲノム解析による病原体検出のこれまでの成果を紹介するとともに,現時点における課題について考察したい。