臨床医のための乳腺基礎医学
乳癌におけるwhole exome sequencing
金井 雅史
1
1京都大学大学院医学研究科腫瘍薬物治療学講座准教授
pp.23-25
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.06.02_0023-0025
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2019年6月にOncoGuide™NCCオンコパネル(以下,NCCオンコパネル)とFoundationOne®CDxの2つのがん遺伝子パネル検査が保険承認され,本邦においてもゲノム医療が本格化しようとしている。がんゲノム研究は日進月歩で,がん遺伝子パネルには網羅されていない新たながん関連遺伝子も次々と報告されている。シーケンス解析技術の進歩も目覚ましく,すべての遺伝子をスキャンする全エクソンシーケンス解析(whole exome sequencing:WES)も一部の検査会社で臨床検査として提供されるようになっており,当院でも2019年度より自費診療として臨床導入している。がんゲノム医療推進コンソーシアムではがんの本態解明を目的とした全ゲノムシーケンス解析(whole genome sequencing:WGS)も計画されており,近い将来,がん遺伝子パネル検査に続いてWESやWGSも日常診療へ導入される可能性もある。本稿ではWESを中心にそのメリット・デメリットについて紹介する。
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