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English
特集 改めて考えるレンサ球菌感染症
8.口腔内レンサ球菌感染症 2)臨床
Clinical significance of oral Streptococcus
坂本春生
1
,
唐木田一成
2
,
高橋美穂
3
,
鈴木大貴
3
Sakamoto Haruo
1
,
Karakida Kazunari
2
,
Takahashi Miho
3
,
Suzuki Daiki
3
1東海大学医学部付属八王子病院歯科・口腔外科 教授
2東海大学医学部付属八王子病院歯科・口腔外科 准教授
3東海大学医学部付属八王子病院歯科・口腔外科 助教
キーワード:
口腔レンサ球菌
,
anginasus group
,
mitis group
,
膿瘍形成
,
好中球減少症
Keyword:
口腔レンサ球菌
,
anginasus group
,
mitis group
,
膿瘍形成
,
好中球減少症
pp.125-131
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201706125
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口腔レンサ球菌はおもに,anginosus group,mitis group,mutans group,salivarius groupから構成される。anginosus group(Streptococcus milleri group)は,S. anginosus,S. constellatus,S. intermediusからなり,多彩な膿瘍形成疾患に関与する。複数菌感染から検出されることが多く,嫌気性菌との相互作用により病原性が増強される。β-ラクタム薬に対してトレラント株の存在を認める。mitis groupには,S. mitis,S. oralis,S. pmeumoniae,S. saguinisが含まれる。悪性腫瘍にともなう好中球減少症時の菌血症が重要である。単独菌として検出されることが多く,各種抗菌薬に対して低感受性株がみられる。口腔レンサ球菌の治療は抗菌薬によく反応するが,トレラント株や高度耐性株による難治症例がある。臨床現場では血液培養から検出された口腔レンサ球菌は安易にcontaminationと判断せずに,注意深い対応を必要とする。