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特集
2.原因菌の変遷 -最新技術を用いた解析-
New etiological insights of microbiology for pneumonia by use of advanced technology
川波敏則
1
,
迎 寛
2
Kawanami Toshinori
1
,
Mukae Hiroshi
2
1産業医科大学医学部呼吸器内科学 講師
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学分野(第二内科) 教授
キーワード:
肺炎
,
原因菌
,
細菌叢解析
Keyword:
肺炎
,
原因菌
,
細菌叢解析
pp.32-38
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201612032
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高齢化社会が待ち受けるわが国において肺炎診療の重要性がますます増すことが予想される。肺炎の原因菌については,ゴールデンスタンダードである培養法,それに加えて,抗原検出や血清抗体測定,PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法などにより検索が行われている。しかしながら,現行法のみでは必ずしも十分ではない。そこで,培養に依存せずに網羅的に細菌を検出することが可能である「細菌叢解析法」を用いることにより,肺炎球菌やインフルエンザ菌といった既知の原因菌に加えて,嫌気性菌や口腔レンサ球菌がより肺炎の原因菌として関与している可能性が明らかとなった。また,一方で誤嚥性肺炎においては,従来,嫌気性菌の関与が知られていたが,口腔レンサ球菌のほうがより関与している可能性が示唆された。