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綜説
複雑性尿路感染症における原因菌の変遷とその対策
Changes of Infecting Organisms and Treatment of Complicated Urinary Tract Infections
河田 幸道
1
Yukimichi Kawada
1
1岐阜大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Gifu University Schoolof Medicine
pp.931-939
発行日 1987年11月20日
Published Date 1987/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204602
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はじめに
近年,感染症の様相が変貌したことが指摘されてからすでに久しいが,この傾向は尿路感染症においても例外ではなく,原因菌の変遷,耐性菌の増加,いわゆるcompromised hostに合併したopportunistic infectionなどが問題となつている。
とくに複雑性尿路感染症における原因菌の変遷は著明であり,これに対応して,より強力かつ有効性の高い新しい抗菌剤を開発する努力が続けられている。しかし,いかに新しい抗菌剤と言えども,尿路感染菌のすべてをカバーできるほど広範囲なスペクトラムを有する抗菌剤はなく,このスペクトラムの網の目からもれた菌種が次の時代の尿路感染菌として問題となつてくる。このため尿路感染症の原因菌は時代とともに変遷し,再び次の対応に迫られることになる。
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