連載 カラーグラフィック・画像から読み解く感染症(17)
Ⅵ 上腹部・消化管 4.Fitz-Hugh-Curtis症候群
池辺洋平
1
,
石丸英樹
2
,
荻野歩
4
,
上谷雅孝
3
Ikebe Yohei
1
,
Ishimaru Hideki
2
,
Ogino Ayumi
4
,
Uetani Masataka
3
1長崎大学病院放射線科
2長崎大学病院放射線科 講師
3長崎大学病院放射線科 教授
4済生会長崎病院放射線科 部長
pp.4-9
発行日 2016年10月25日
Published Date 2016/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201611004
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Fitz-Hugh-Curtis 症候群は骨盤内感染症により引き起こされる限局性の肝周囲炎である。性活動が活発な若い女性が右上腹部や心窩部痛で発症することが多い。Chlamydia trachomatis,Neisseria gonorrhoeaeが起因菌となり急性期に適切な抗菌薬投与を行うことができれば予後良好である。骨盤内の炎症所見がはっきりしないことも多く診断に難渋する場合があるが,造影CTにて特徴的な画像所見を呈し診断に大きく寄与する。肝周囲炎を反映して動脈相にて肝臓に被膜状の造影効果が認められ,臨床所見とあわせて本疾患を考える。