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連載 私達の研究(164)
休止細菌の選択的分取と分子機構解析
Selective sorting and molecular mechanism analysis of dormant persisters
常田聡
1
,
河合祐人
2
,
松本慎也
3
Tsuneda Satoshi
1
,
Kawai Yuto
2
,
Matsumoto Shinya
3
1早稲田大学大学院・生命医科学専攻 教授
2早稲田大学大学院・生命医科学専攻
3名古屋大学・医学部
キーワード:
休止細菌,抗生物質抵抗性,トランスクリプトーム解析
Keyword:
休止細菌,抗生物質抵抗性,トランスクリプトーム解析
pp.113-117
発行日 2016年10月25日
Published Date 2016/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201611113
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感染症の難治化原因として休止細菌の存在が注目されている。抗生物質は細菌の増殖を標的として細胞を死に至らしめるが,休止細菌は細胞増殖を抑制することによって抗生物質の作用を回避し,複数種の抗生物質に対して抵抗性を示す。休止化は表現型の変化によるものだが,緑膿菌・黄色ブドウ球菌・結核菌など臨床的に重要なほとんどの細菌が休止細菌を形成し難治化の原因となっている。休止細菌の分子機構解析が進んでいないひとつの原因は休止細菌を検出するマーカーが存在しないことだと言える。そこで我々は,細胞増殖を標的とした休止細菌マーカーを開発し,開発したマーカー株を用いて休止細菌の分子機構を調査した。