病気のはなし
クリプトスポリジウム症
井関 基弘
1
,
木俣 勲
1
1大阪市立大学医学部医動物学研究室
pp.108-114
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905287
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
クリプトスポリジウム症は激しい下痢を主徴とする原虫性疾患で,1999年4月から「全数届出感染症」に指定された.また,エイズ診断の指標疾患でもある.免疫不全患者では重症で致死的な感染を起こす.水道水による集団感染が日本を含む世界各地で発生し,大きな問題になっている.治療法はまだ確立されていない.診断には糞便検査でオーシストを検出すればよいが,通常の原虫・虫卵検査法では検出できない.ショ糖遠心沈殿浮遊法,簡易迅速ショ糖浮遊法,抗酸染色法などが必須である.最近,直接蛍光抗体法用の試薬キットも市販されており,体外診断薬として認可されれば,検査室での利用価値は高い.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.