Japanese
English
今月の特集 食中毒の現状と微生物検査
〔寄生虫〕
クリプトスポリジウムなどによる食中毒
Foodborne infections by Cryptosporidium and other intestinal parasites
泉山 信司
1
1国立感染症研究所寄生動物部
キーワード:
クリプトスポリジウム
,
サイクロスポラ
,
消化管寄生性原虫
,
蛍光顕微鏡観察
,
消化管感染症パネル検査
Keyword:
クリプトスポリジウム
,
サイクロスポラ
,
消化管寄生性原虫
,
蛍光顕微鏡観察
,
消化管感染症パネル検査
pp.91-97
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202914
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Point
●消化管寄生性原虫による食中毒は,国内の報告数が少ない.一方,海外では工業先進国であっても報告が決して少なくないこと,輸入感染があること,重複感染もあり得ること,国内にも汚染源があることから注意を要する.
●原虫は糞口感染し,原因が生食だけとは限らない.非加熱の生水による感染経路があり,塩素消毒に抵抗性があるので,濾過除去などの必要性が指摘される.
●原虫感染に起因する下痢症(赤痢アメーバ症を除く)は非血性水様下痢を主症状とし,臨床所見からの区別は困難である.種々の検査活用によって正しく同定する.
●特に海外旅行者の下痢症や集団下痢症で通常の病原体が検出されない場合,免疫不全で持続する原因不明の下痢症などに検査が推奨される.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.