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連載 私達の研究(161)
ウイルス感染の宿主防御に関する分子メカニズム
Molecular mechanisms for host defense against viral infection
髙岡晃教
1
Takaoka Akinori
1
1北海道大学遺伝子病制御研究所分子生体防御分野 教授
キーワード:
ウイルス感染,自然免疫,インターフェロン,B型肝炎ウイルス,芳香族炭化水素受容体(AHR)
Keyword:
ウイルス感染,自然免疫,インターフェロン,B型肝炎ウイルス,芳香族炭化水素受容体(AHR)
pp.109-117
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201608109
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ウイルス感染に対する自然免疫応答のスイッチを入れる微生物認識の仕組みは多種多様なパターン認識受容体の同定によって次第に明らかになってきた。さらに,パターン認識受容体の下流で活性化されるシグナル経路を介して誘導される各種遺伝子発現の中でもインターフェロン遺伝子の発現は抗ウイルス状態を誘導するために大変重要な役割を担っている。一方で,このような自然免疫応答を引き起こすシグナルを制御する機構についても明らかになってきた。このような自然免疫応答の活性化を導くウイルス認識機構やシグナル経路の詳細を解明することは抗ウイルス治療としての新しい戦略を見出すことにつながる。本稿ではこれらに関連して,我々のグループが最近発表した研究内容について紹介する。