Japanese
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特集 非結核性抗酸菌症の今日的問題
9.肺MAC症以外のNTM症の治療法と課題
Treatment of pulmonary nontuberculous mycobacterial disease other than Mycobacterium avium complex disease
露口一成
1
Tsuyuguchi Kazunari
1
1独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター 感染症研究部長
キーワード:
Mycobacterium kansasii
,
Mycobacterium abscessus complex
Keyword:
Mycobacterium kansasii
,
Mycobacterium abscessus complex
pp.88-92
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201608088
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非結核性抗酸菌(NTM)症と一口に言っても,その臨床像,治療法,予後は菌種によってかなり異なるため菌種を正確に同定することが必要である。菌種ごとの頻度についてもMycobacterium avium complex(MAC)症がもっとも多いのは全世界的に共通しているが,それに次ぐ頻度の菌種は,国,地域により異なっており,また,経年的にも変化がみられる。近年では分子遺伝学的な解析の進歩により新たな菌種の発見も相次ぎ,菌種の多様化傾向がみられている。本稿ではMAC症以外のNTM症のうち,わが国で頻度の高いM. kansasii症,M. abscessus complex症について概説する。それ以外のまれなNTM症の治療については2007年の米国胸部学会(ATS)ガイドライン(文献11)や倉島先生著の文献15を参考にしていただきたい。なお,2016年6月現在,わが国で非結核性抗酸菌症に対して保険適応が認められている薬剤は,クラリスロマイシン(CAM),リファンピシン(RFP),エタンブトール(EB),ストレプトマイシン(SM),リファブチン(RBT)の5剤のみであることを付記しておく。