連載 症例で学ぶ非結核性抗酸菌症・13
肺NTM症における手術について
朝倉 崇德
1
,
長谷川 直樹
2
,
早川 信崇
3
,
大内 基史
3
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
3聖隷横浜病院呼吸器外科
pp.702-708
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200097
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症例1 63歳女性
【現病歴】11年前に胸部異常陰影をきっかけに肺MAC症(Mycobacterium avium)と診断され,リファンピシン(RFP),エタンブトール(EB),クラリスロマイシン(CAM),ストレプトマイシン(SM)で治療されたが陰影の改善は乏しかった.排菌が少なかったため,9年前から治療は中止のうえで経過観察された.3年前から陰影が悪化し,喀痰抗酸菌塗抹が陰性から2+となったため,加療目的で当院を紹介受診した.その後,当院でRFP 600mg/日,EB 750mg/日,CAM 800mg/日による治療が開始され,経過中に数カ月間のアミカシン(AMK)点滴を追加するも陰影は改善しなかった.M. aviumの感受性結果ではCAM耐性〔ブロスミックNTM(極東製薬工業)MIC>32〕であった.画像陰影もさらに悪化するため,外科手術も含めた治療目的に入院した.喀痰抗酸菌検査では塗抹3+,培養陽性が持続している.
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