特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで
【感染性肺炎】
❺肺結核と肺NTM症
長谷川 耕平
1
,
岩田 健太郎
2
1神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科
2神戸大学医学部附属病院 感染症内科
キーワード:
肺結核
,
肺NTM症
,
インターフェロンγ遊離試験
,
抗菌薬適正使用
Keyword:
肺結核
,
肺NTM症
,
インターフェロンγ遊離試験
,
抗菌薬適正使用
pp.176-179
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202991
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ピットフォールCase❶
治療開始前はT-SPOT陰性だったが、入院経過中、肺結核を発症した抗MDA5抗体関連皮膚筋炎の1例
患者:65歳、女性。
家族歴:弟;肺結核(10代の頃)。
現病歴:抗MDA5抗体関連皮膚筋炎の治療導入のため入院していた。プレドニゾロン、タクロリムス、シクロホスファミド併用療法を開始したが、経過不良のためトファチニブを追加した。いったん病勢は落ち着いたが、第62病日の胸部CTで左上葉に結節が新たに出現した(図1Ⓐ)。喀痰Ziehl-Neelsen(Z-N)染色は陰性だった。第79病日の胸部CTで同結節が空洞化し(図1Ⓑ)、喀痰グラム染色では“ゴースト”を認め、Z-N染色を行ったところガフキー(2+)、Tb-PCR陽性であり、活動性肺結核と診断した(図2ⒶⒷ)。後日喀痰からMycobacterium tuberculosisが発育した。なお、免疫抑制薬開始前のT-SPOTは陰性であった。
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