Japanese
English
特集 HIV感染症の流行はまだ続いている
6.HIV/HCV重複感染症例における治療上の留意点
Treatment of HIV/HCV coinfected patients
四柳宏
1
Yotsuyanagi Hiroshi
1
1東京大学大学院生体防御感染症学(感染症内科) 准教授
キーワード:
ソホスブビル
,
MSM
,
プロテアーゼ阻害薬
,
遺伝子型3
Keyword:
ソホスブビル
,
MSM
,
プロテアーゼ阻害薬
,
遺伝子型3
pp.66-71
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201605066
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
C型肝炎ウイルス(HCV)感染症に対する治療としては,インターフェロンフリー療法が主流になりつつある。わが国でも,最初のインターフェロンフリー療法である“アスナプレビル+ダクラタスビル”併用療法が2014年秋から可能になり,2015年には,“ソホスブビル+リバビリン”(遺伝子型2),“ソホスブビル+レジパスビル”(遺伝子型1)の使用が可能になった。HIV/HCV重複感染例においても,海外からの報告では,インターフェロンフリー療法の効果は高く,HCV単独感染例と差がないことが示されている。わが国では,現在のところは遺伝子型1,2以外のHCVには治療の適応がなく,今後,さまざまな遺伝子型の患者がインターフェロンフリー療法を受けられることが期待される。HIV感染者,特に血液製剤の投与による感染者にはHCVの合併感染が多い。HIV/HCV合併感染者はHCV単独感染例に比べて抗HCV治療の際に注意すべき点がいくつかある。本稿では,こうした点も含めて概説したい。