連載 感染症 Up to Date・54
HIV拠点病院と保健所との連携
石原 美和
1,2
1国立国際医療センター
2エイズ治療・研究開発センター
pp.602-604
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902227
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現在,わが国では約4,000名のHIV感染者(エイズ患者を含む)が報告されており,増加の一途をたどっている。しかし,1996年以降,プロテアーゼ阻害薬など抗HIV薬の開発が進み,HIV感染症治療は格段の進歩を遂げている。それとともに,HIV/AIDS患者の生活の質も大きく変化し,現在,ほとんどの患者が外来通院しながら就労.通学などの社会生活を営んでいる。そのため支援の内容も,ターミナルケアや日和見感染症に対する急性期の直接ケアから「慢性疾患ケア」モデルへ変化し,ケアの実践主体は医療従事者から感染者本人へと変遷した。
1996年,厚生省は政策医療として,先進諸国のエイズセンターと同じレベルで治療や研究に取り組み,全国のエイズ診療レベルの向上をサポートする目的で,エイズ治療・研究開発センター(ACC)を国立国際医療センター内に設置した。その後,身体障害認定制度の適用やエイズ予防指針の策定に伴い,保健所との連携強化を意識的に試みている。
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