特集 臓器障害・生理機能に対応した抗菌薬の適正使用
2.特殊な患者に対する抗菌薬の使用方法-種類の選択・用法用量設定・適正使用-
1)肝障害
大路剛
1
Ohji Goh
1
1神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野 講師
キーワード:
薬剤性肝障害
,
非代償性肝硬変
,
抗菌薬
Keyword:
薬剤性肝障害
,
非代償性肝硬変
,
抗菌薬
pp.52-59
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201603052
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肝障害患者への抗菌薬投与では,非代償性肝硬変に対してですら明確な減量基準は一部の抗菌薬しかない。使用する際には単に減量してみるよりは,臨床検査によって肝障害の発生の有無を慎重にチェックしていくことが望ましい。また肝障害の発生パターンは,すべての人に起こるものと個人の特異的体質によるものがある。後者は予測不可能であるが,前者をある程度理解しておくことは肝障害の予測に役立つ。日常診療で頻用される抗菌薬の中で肝障害の頻度がもっとも高い抗菌薬がアモキシシリン・クラブラン酸であることは心に留めておくべきだろう。