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特集 ヒトの健康・疾患と腸内細菌の関わり
3.腸内細菌と内科疾患
Role of the gut microbiota in health and disease
髙橋憲一郎
1
,
安藤 朗
2
Takahashi Kenichiro
1
,
Andoh Akira
2
1滋賀医科大学消化器内科 特任助教
2滋賀医科大学消化器内科 教授
キーワード:
炎症性腸疾患
,
大腸がん
,
脂肪肝炎
,
糖尿病
Keyword:
炎症性腸疾患
,
大腸がん
,
脂肪肝炎
,
糖尿病
pp.40-48
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201602040
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細菌16S rRNAを標的とするPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を応用した解析法や次世代シークエンサーの導入により,さまざまな腸内細菌の機能と生体との共生機構が明らかになった。最近の研究によると,ヒトの消化管には,約1千種,100兆個の細菌が存在し,腸内細菌のもつ総遺伝子数は,ヒトのもつ遺伝子の100倍以上に上ることが明らかとなった。さらに,これまで予想されていなかった腸内細菌の新たな機能の解明から,炎症性腸疾患,肥満,糖尿病,大腸がん,動脈硬化,自閉症などのさまざまな疾患と腸内細菌の変化との関連が明らかにされつつある。本稿では腸内細菌と内科疾患のかかわりについて,最近の知見を紹介する。