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特集 ヒトの健康・疾患と腸内細菌の関わり
4.腸内細菌由来短鎖脂肪酸による免疫調節とエピゲノム修飾変化
Intestinal microbiota-derived short chain fatty acids regulate the immune system through epigenetic modifications
磯部順哉
1
,
長谷耕二
2
Isobe Junya
1
,
Hase Koji
2
1慶應義塾大学薬学部生化学講座
2慶應義塾大学薬学部生化学講座 教授/東京大学医科学研究所国際粘膜ワクチン開発研究センター粘膜バリア学分野 客員教授
キーワード:
腸内細菌
,
短鎖脂肪酸
,
Treg
,
エピゲノム
Keyword:
腸内細菌
,
短鎖脂肪酸
,
Treg
,
エピゲノム
pp.49-54
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201602049
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我々ヒトの大腸には体細胞数を上回る腸内細菌が生息している。腸内細菌叢は,難消化性多糖から短鎖脂肪酸などの代謝物を産生することで,宿主細胞の生理機能に広範囲な影響を及ぼす。短鎖脂肪酸のひとつである酪酸は,腸上皮細胞の主要なエネルギー源として利用されるだけでなく,Gタンパク質共役受容体(GPR)への結合やエピゲノム修飾変化を促すことで,免疫系や代謝系の調節を行っている。本稿では,短鎖脂肪酸による免疫調節作用について概説する。さらに,腸管Treg(制御性T細胞)の分化と増殖を制御するエピジェネティクス機構について解説する。