Japanese
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特集 感染症における新薬開発のジレンマと展望 -日本が先駆者となるために-
序 -感染症治療薬開発の現状と将来-
Current status and future perspectives of anti-infective drugs development
佐々木均
1
Sasaki Hitoshi
1
1長崎大学病院薬剤部 教授・薬剤部長
キーワード:
抗菌薬開発
,
性菌
,
感染制御
,
適正使用
,
産官学連携
Keyword:
抗菌薬開発
,
性菌
,
感染制御
,
適正使用
,
産官学連携
pp.22-24
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601022
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新規抗菌薬は感染症治療を劇的に改善し,人類の健康に貢献してきた。しかし,継続的に開発された強い抗菌薬は耐性菌の進化を促し,その蔓延が世界的問題になっている。また,抗菌薬開発のシーズを見出すことも困難となってきた。このため,施設や地域の感染制御や,既存抗菌薬の適正使用が推進されている。一方,日本の製薬企業は優れた抗菌薬開発力で世界に貢献してきたが,現在では開発費用に見合った利益確保が難しく,この分野から撤退をはじめている。この危機的状況に対し,産官学連携による新たな制度や枠組みが示されようとしている。本特集では,抗菌薬や耐性菌の歴史を見据え,新薬開発の課題や今後の展望について紹介する。