Japanese
English
特集 化学療法剤のPK-PD理論 -応用と限界-
序 -科学理論に基づく化学療法の臨床-
Clinical practice of science-based chemotherapy
佐々木均
1
Sasaki Hitoshi
1
1長崎大学病院薬剤部 教授
キーワード:
PK-PD理論
,
PK-PDパラメータ
,
PK-PDブレイクポイント
,
耐性菌発現阻止濃度
,
モンテカルロシミュレーション
Keyword:
PK-PD理論
,
PK-PDパラメータ
,
PK-PDブレイクポイント
,
耐性菌発現阻止濃度
,
モンテカルロシミュレーション
pp.22-24
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201311022
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薬物動態学(pharmacokinetics:PK)は薬の体内動態を,薬力学(pharmacodynamics:PD)は作用部位での薬物濃度と薬理効果の関係を取り扱う学問である。Craigらは,マウス大腿感染モデルを用いて各種抗菌薬の有効性に関連するPK-PDパラメータを明らかにすることに成功した。このPK-PD理論により感染症治療は科学的根拠に基づいた抗菌薬適正使用を行うことができるようになった。感染症治療におけるPK-PD理論の成功は,真菌,ウイルス,がんなどに対する化学療法への理論応用を推進している。しかし,PK-PD理論はあくまで,仮定をもち単純化したモデルである。PK-PDモデルの意味を理解し,限界を考慮するとともに,臨床的エビデンスの蓄積によるさらなる解析が必要である。