特集 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが示す方向性~新規抗菌薬・診断法の開発を含めて~
3.抗菌薬開発の現状と将来展望
八木澤守正
1
1慶應義塾大学薬学部共同研究員
pp.805-810
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803805
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世界的に“耐性菌の脅威”への対応が論議されている中で,各種耐性菌を脅威の程度に応じて優先度を設定し,新規抗菌薬開発の標的を絞る工夫がなされている。世界で臨床開発が行われている新規抗菌薬は50品目ほどあり,優先度の高い耐性菌に対する有効性が期待され,順調に開発が進んでいる品目もある。薬剤耐性(AMR)対策としての新規抗菌薬は,個別企業が既存薬の販売利益を充当するという従来の資金再投資型の開発に拠ることは難しく,販売利益と開発経費の“脱リンク型”の開発や公的機関の資金に拠る開発が模索されている。