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特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
序 -輸送機構や制御因子の解明が進むトランスポーター-
Advanced study on mechanism of transporter and its function
佐々木均
1
Sasaki Hitoshi
1
1長崎大学病院 教授・薬剤部長
キーワード:
トランスポーター
,
体内動態
,
P-糖タンパク質
,
耐性菌
,
多剤排出
Keyword:
トランスポーター
,
体内動態
,
P-糖タンパク質
,
耐性菌
,
多剤排出
pp.22-24
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503022
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膜輸送体(トランスポーター)とは,生体膜を貫通し,膜を通して物質の輸送を行うタンパク質の総称である。微生物からヒトの細胞にいたるまで多くの生物において見出される。近年,さまざまなトランスポーターがヒトで発見され,薬物の吸収・分布・排泄の過程に大きく影響することが明らかになった。一方,抗微生物薬が効きにくい薬剤耐性菌が世界中に広がり,治療上の問題となっている。治療薬が効かなくなる原因のひとつは,病原性細菌に出現する多剤排出トランスポーターの伝播である。最近,分子レベルでの解析から輸送機構や影響因子が解明されはじめた。