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連載 薬物開発物語(2)
クラビット®ヒストリー-レボフロキサシンの誕生から現在まで-
The history of Cravit®from its birth to present
益田幹也
1
Masuda Mikiya
1
1第一三共株式会社マーケティング部
pp.105-113
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201512105
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広範囲経口抗菌製剤クラビット®(一般名:レボフロキサシン〔LVFX〕)はフルオロキノロン系薬として1993年に発売されて以来,110の国と地域で承認されている(2014年9月現在)。LVFXは発売から20年以上経過してもなお,キノロン系薬のスタンダード薬として幅広い感染症領域において処方されている。その理由として,〈1〉 抗菌スペクトルが広く,抗菌活性が高い,〈2〉 バイオアベイラビリティが高く,かつ組織移行性に優れる,〈3〉 キノロン系薬の中では重篤な副作用の発現率が高くないと捉えている。LVFXは2015年8月に,新たに「結核菌」が適応菌種として,また,適応症として「肺結核及びその他の結核症」が承認され,35の適応菌種と44の適応症を有することになった。本稿では,LVFX誕生前までさかのぼり,現在も進化を続けるLVFXの歴史を物語風に振り返ってみたい。