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連載 私達の研究(153)
リーシュマニア症ワクチン開発に向けた宿主免疫記憶機構の解明
Host immunological memory and vaccine development in leishmaniasis
前川洋一
1
,
長野功
2
,
呉志良
3
Maekawa Yoichi
1
,
Nagano Isao
2
,
Wu Zhiliang
3
1岐阜大学大学院医学系研究科分子構造学講座寄生虫学・感染学分野 教授
2岐阜大学大学院医学系研究科分子構造学講座寄生虫学・感染学分野 准教授
3岐阜大学大学院医学系研究科分子構造学講座寄生虫学・感染学分野 講師
キーワード:
リーシュマニア,ワクチン,メモリーT細胞,Notchシグナル,糖代謝
Keyword:
リーシュマニア,ワクチン,メモリーT細胞,Notchシグナル,糖代謝
pp.94-104
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201512094
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リーシュマニア症は喫緊の対策が必要な原虫感染症である。感染症克服には多面的・包括的な対策が必要であり,ワクチンはもっとも重要な対策のひとつである。リーシュマニア症に対するワクチンはすでにいくつか開発されており,研究レベルでは一定の効果を示しているが,いまだに実用化されたものはない。ワクチンは宿主免疫記憶機構に依存した治療・予防法であるため,効果的なワクチンを効率よく開発するためには,免疫記憶機構の理解とその的確な活用が必要である。私たちはリーシュマニア症に対するワクチン効果と長期有効性について,免疫記憶機構の動態解明を中心に研究している。私たちの研究をとおして,免疫記憶機構の理解に基づいた新規のワクチン評価概念や評価法を確立することができ,効果的ワクチンの効率的な開発へと展開することができると考えている。本稿では私たちの研究の一端を紹介したい。