連載 カラーグラフィック
画像から読み解く感染症(6)
Ⅲ 肺 1.レジオネラ肺炎
筒井伸
1
,
芦澤和人
2
Tsutsui Shin
1
,
Ashizawa Kazuto
2
1地域医療機能推進機構諫早総合病院放射線科
2長崎大学大学院医歯薬総合研究科臨床腫瘍学 教授
pp.4-12
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201512004
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レジオネラ肺炎は単純X線写真では,大葉性肺炎を呈する重症なものから,限局性の浸潤影,すりガラス影を呈する軽症なものまで,その程度はさまざまである。CTでは浸潤影が主体で,周囲にすりガラス影をともなうことが多い。陰影は非区域性に分布することが多いとされるが,区域性に分布するとの報告もある。軽症もしくは初期病変では気管支肺炎のパターンを呈し,病変の進行・拡大とともに,肺胞性肺炎のパターンや気管支肺炎と肺胞性肺炎のパターンが混在した所見を呈すると考えられる。他の細菌性肺炎との画像のみでの鑑別は困難であるが,陰影が数日間で急速に広がることが特徴であり,迅速な診断が要求される。