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特集 持続感染・潜伏感染の機序と病態
6.HIV感染における無症候性キャリア状態の機構 -HIVの持続感染と潜伏感染の病態-
Mechanism of asymptomatic carrier in HIV-infection -Pathogenesis of HIV-persistence and latent infection-
松下修三
1
Matsushita Shuzo
1
1熊本大学エイズ学研究センター 教授
キーワード:
HIV感染
,
無症候性キャリア
,
持続感染
,
潜伏感染
Keyword:
HIV感染
,
無症候性キャリア
,
持続感染
,
潜伏感染
pp.74-80
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509074
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HIV-1感染症では,急性感染症状は多くの場合,自然に改善し,その後,長期にわたる無症候期に入る。1990年代中頃にHIV RNAが測定可能となり,この無症候期においてもHIVは活発に増殖し,さまざまな病態を引き起こしていることが明らかとなった。最近の多剤併用療法(ART)の進歩により,多くの感染例でHIV RNAが測定感度以下にコントロールできるようになったが,治療を中断すると,ただちにウイルスがリバウンドし,CD4+T細胞の減少をきたす。ART下に,ウイルスがどのように持続感染状態を維持し,あるいは潜伏しているのかを明らかにする研究は,治癒に向けた治療法の開発の鍵となる。