Japanese
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特集 持続感染・潜伏感染の機序と病態
5.EBウイルスの潜伏感染機構
Mechanism of Epstein-Barr virus latent infection
神田輝
1
Kanda Teru
1
1愛知県がんセンター研究所感染腫瘍学部 室長
キーワード:
EBウイルス
,
エピゾーム
,
EBNA1
Keyword:
EBウイルス
,
エピゾーム
,
EBNA1
pp.66-73
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509066
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EB(Epstein-Barr)ウイルスはヒトBリンパ球に潜伏感染する。感染は一般に無症候性であるが,ときに慢性活動性EBウイルス関連リンパ増殖症や上咽頭がんなど,重篤な疾患の発症にも関与する。EBウイルスゲノムは,ウイルスタンパク質EBNA1の働きにより潜伏感染細胞の核内にエピゾーム(二本鎖環状DNA)として,安定して維持される。ウイルスの発見から半世紀が経過し,EBウイルスによる試験管内Bリンパ球不死化機構の解析は進んだ一方で,T/NK細胞や上皮細胞への感染機構および腫瘍化機構についてはいまだ不明である。近年は,ウイルスマイクロRNAの発がんにおける機能や,EBウイルス株の多様性と疾患との関連が注目されている。