Japanese
English
特集 持続感染・潜伏感染の機序と病態
7.ボルナウイルスの核内持続感染機構
The intranuclear persistent infection mechanism of Borna disease virus
牧野晶子
1
,
朝長啓造
2
Makino Akiko
1
,
Tomonaga Keizo
2
1京都大学ウイルス研究所ヒトがんウイルス研究分野 特定助教
2京都大学ウイルス研究所ヒトがんウイルス研究分野 教授
キーワード:
ボルナウイルス
,
核内持続感染
,
宿主因子
,
RNAウイルス
,
病原性
Keyword:
ボルナウイルス
,
核内持続感染
,
宿主因子
,
RNAウイルス
,
病原性
pp.81-92
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509081
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19世紀の終わりからドイツにおいてウマやヒツジにボルナ病を起こす病原体を対象としてはじまったボルナウイルス研究は,その感染機構の分子生物学的研究,内在性ボルナウイルス様配列の解析,ベクターへの応用,疫学調査など多岐にわたっている。ボルナウイルスは核内に非細胞障害性に持続感染する唯一のRNAウイルスであり,独自の感染機構をもっている。本稿では,新たに発見されたヒトへの高い病原性が疑われている新規ボルナウイルスを含む本ウイルス研究の潮流に触れ,また,本ウイルスが細胞の核内に持続感染する機構および関与する宿主因子について概説する。