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特集 C型ウイルス肝炎の治療における最近の進歩
7.C型肝炎の治療と肝発がん抑止
HCC suppression by HCV clearance
坂本穣
1
,
榎本信幸
2
Sakamoto Minoru
1
,
Enomoto Nobuyuki
2
1山梨大学医学部附属病院肝疾患センター センター長・准教授
2山梨大学大学院総合研究部臨床医学系内科学第1講座 教授
キーワード:
C型肝炎
,
発がん抑止
,
DAA
Keyword:
C型肝炎
,
発がん抑止
,
DAA
pp.74-79
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201504074
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C型肝炎治療の目標は肝発がん抑止である。このためにはウイルス排除が重要であるが,これまでのインターフェロンベースの治療に加え,近年の直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の開発により,この可能性が飛躍的に高まった。インターフェロンによるC型肝炎ウイルスの排除が,肝発がんの抑止に寄与することはこれまで明らかにされているが,発がんリスクの高い症例では,容易には発がんリスクは低減しない。今後,より発がんリスクの高い症例でもDAAによってウイルス排除される可能性は高いが,このような集団で肝発がんが抑制できるかどうかはいまだ明らかではなく,SVR(sustained viral response)後の発がんも増加することが予測される。したがって,今後のC型肝炎治療はウイルス排除のみならず,いかに肝発がんを抑止するかが重要になってくる。