Japanese
English
特集 C型ウイルス肝炎の治療における最近の進歩
2.βインターフェロンを用いた治療
Interferon-beta therapy
野村秀幸
1
Nomura Hideyuki
1
1国家公務員共済組合連合会新小倉病院 副院長
キーワード:
インターフェロンβ
,
C型慢性肝炎
,
うつ状態
,
血小板減少
,
高齢者
Keyword:
インターフェロンβ
,
C型慢性肝炎
,
うつ状態
,
血小板減少
,
高齢者
pp.31-40
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201504031
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現在のC型肝炎治療はペグインターフェロン・リバビリン+直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)の3剤併用療法が主流であるが,今後はDAAsのみの治療へ移行していくと思われる。現在においては,ペグインターフェロンα製剤に不耐容な患者へはインターフェロンβ(IFN-β)・リバビリン併用療法が行われている。治療方法は,開始4週間はIFN-βの600万単位を連日静注または点滴静注し,以後,週3回の間欠投与を,1型へは44週間,2型へは20週間行い,リバビリンはこの間,連日経口投与を行う。うつ病の既往者,うつ病や不眠症の治療患者に対しては,うつ状態の悪化はなく,治療中止者もみられず,また,血小板減少者においては間欠投与後から血小板数の増加を認めた。高齢者においては,IFN-β・リバビリン併用療法はペグインターフェロン・リバビリン併用療法に比べ,IFNやリバビリンの減量も少なく,中止率も低かった。このように,安全な治療と考えられる。しかし今後は,経口のDAAsのみのIFNフリーによる治療が主流となり,治療期間の短縮,治療効果の向上が図られるものと思われる。