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特集 周術期感染症の制御と治療戦略
4.回復力強化プログラム
ERAS(Enhanced recovery after surgery)
福島亮治
1
Fukushima Ryoji
1
1帝京大学医学部外科学講座 教授
キーワード:
周術期管理
,
禁食
,
輸液
,
栄養
Keyword:
周術期管理
,
禁食
,
輸液
,
栄養
pp.52-58
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502052
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ERAS(Enhanced Recovery After Surgery)は,早期回復,早期退院を目指した周術期管理プログラムである。これまで慣習的に行われていた方法を見直し,エビデンスに基づいたさまざまな管理法(elements)を集学的に実行する。手術患者が退院できない主要因を,“痛い”,“動けない”,“食べられない”ことにあると位置づけ,十分な疼痛管理で早期離床をはかることと,経口摂取を制限しない(禁食にしない)ことを基本としている。内容は,術前,術中,術後の広い範囲に及んでいる。これまで外科医が何の迷いもなく行ってきた古典的周術期管理の常識:dogmaを大きく見直す内容が多く含まれているが,その有効性が証明されつつあり注目を集めている。