Japanese
English
特集 周術期感染症の制御と治療戦略
1.手術侵襲と生体反応
Inflammatory and anti-inflammatory response following surgery
小野聡
1
,
辻本広紀
2
,
平木修一
3
,
池田寿昭
4
Ono Satoshi
1
,
Tsujimoto Hironori
2
,
Hiraki Shuichi
3
,
Ikeda Toshiaki
4
1東京医科大学八王子医療センター特定集中治療部 教授
2防衛医科大学校外科学 講師
3防衛医科大学校外科学 助教
4東京医科大学八王子医療センター特定集中治療部 教授
キーワード:
手術侵襲
,
SIRS/CARS
,
炎症担当細胞
,
サイトカイン
Keyword:
手術侵襲
,
SIRS/CARS
,
炎症担当細胞
,
サイトカイン
pp.25-33
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502025
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手術侵襲後の生体反応について神経・内分泌反応や炎症担当細胞の役割に注目し,SIRS(systemic inflammatory response syndrome:全身性炎症反応症候群)やCARS(compensatory anti-inflammatory response syndrome:代償性抗炎症反応症候群)の病態について概説した。また,手術後の生体反応を客観的に評価する方法として,炎症反応に関しては,SIRS診断基準項目,サイトカイン,末梢血単球でのサイトカイン産生能,好中球の接着分子発現について,免疫機能に関しては末梢血単球の抗原提示機能(MHC〔major histocompatibility complex〕-class II )やリンパ球のインターフェロン(interferon:IFN)-γ産生能について,防衛医科大学校外科学での臨床データを分析し概説した。さらに周術期生体反応のmodulationについて,〈1〉 術後SIRS対策,〈2〉 CARS対策,それぞれについて,臨床的,実験的データを紹介しながら最近の文献を参考に概説した。