Japanese
English
特集 サイトカインからみた周術期管理
外科侵襲に対するステロイド投与
Effect of glucocolticoid administration on surgical stress
佐藤 信博
1
,
肥田 圭介
1
,
木村 祐輔
1
,
池田 健一郎
1
,
八重樫 泰法
1
,
石田 薫
1
,
斉藤 和好
1
,
遠藤 重厚
2
Nobuhiro SATO
1
1岩手医科大学外科学第1講座
2岩手医科大学高次救急センター
キーワード:
手術侵襲
,
ステロイド
,
サイトカイン
Keyword:
手術侵襲
,
ステロイド
,
サイトカイン
pp.611-615
発行日 1997年5月20日
Published Date 1997/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902720
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サイトカインレスポンスからみて大侵襲手術では侵襲—生体反応が非制御状態に陥る危険性が潜在しており,cytokine modulating therapyが模索されている.われわれは食道癌患者を対象としメチルプレドニゾロン(MP)10 mg/kg術前投与群と非投与済群(C群)との比較検討を行った.MP群で末梢血中IL-6,IL-8,IL-1ra,顆粒球エラスターゼ,sELAM-1は低値で推移し,術後呼吸機能,腎機能はMP群が良好に推移した.非特異的免疫能は2群間に差はなく,感染症,縫合不全などの合併症は発生しなかった.過大侵襲手術における術前ステロイド投与は過剰な炎症性サイトカインを抑制し,術後合併症対策の一環になるものと考えられる.
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