Japanese
English
特集 周術期感染症の制御と治療戦略
2.手術創の分類と創傷治癒メカニズム
Mechanism of wound healing process and management of surgical wound
小山勇
1
,
合川公康
2
,
岡本光順
2
,
山口茂樹
2
Koyama Isamu
1
,
Aikawa Masayasu
2
,
Okamoto Koujun
2
,
Yamaguchi Shigeki
2
1埼玉医科大学国際医療センター消化器外科 教授
2埼玉医科大学国際医療センター消化器外科 准教授
キーワード:
感染創
,
創傷治癒
,
肉芽組織
,
創傷被覆材
,
湿潤環境
Keyword:
感染創
,
創傷治癒
,
肉芽組織
,
創傷被覆材
,
湿潤環境
pp.34-40
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502034
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
感染手術創では,まず感染の兆候を見逃さずに早期診断を行うことが重要である。早期に創を開放すればするほど,治癒が早くなる。創の開放のみではなく,壊死組織や異物を除去するデブリードメントが必要となる。さらに,細菌感染を制御するために,生食や水道水による創の洗浄は有力な方法である。洗浄で除去できない場合にはガーゼやドレッシング材を用いたデブリードメントを行う。感染制御の後は,健康な肉芽組織形成を積極的に促進させるために,ドレッシング材を用いて創の湿潤環境を維持することが重要である。健康な肉芽組織が形成されてくれば,創底が浅くならないうちに創を積極的に閉鎖するか,あるいは創縁を近づけることにより,早くきれいに創は治癒する。