Japanese
English
特集 超高齢化社会における高齢者感染症の特徴と課題
4.高齢者の呼吸器感染症
Respiratory infectious diseases in elderly adults
山谷睦雄
1
Yamaya Mutsuo
1
1東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座 教授
キーワード:
誤嚥性肺炎
,
不顕性誤嚥
,
経管栄養
,
慢性閉塞性肺疾患
,
高齢者気管支喘息
Keyword:
誤嚥性肺炎
,
不顕性誤嚥
,
経管栄養
,
慢性閉塞性肺疾患
,
高齢者気管支喘息
pp.44-51
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201409044
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高齢者肺炎は死亡者数が増加し,死亡率の改善が望まれている。高齢者では「誤嚥」がもとで肺炎をくり返す特徴を有する。脳梗塞,脳出血,パーキンソン病,認知症などの脳神経・脳血管疾患や,鎮静薬投与,葉酸欠乏などの栄養欠乏などが誤嚥を惹起し,肺炎の発症に関係する。また,身体機能の低下による口腔内の衛生状態の悪化も誤嚥による肺炎に関係する。高齢者肺炎の予防には誤嚥をもたらす基礎疾患の予防と治療が前提であるが,嚥下機能改善のための薬剤投与および口腔ケアを中心とした介護・看護法も肺炎を予防する。高齢者呼吸器感染症としては肺炎に加えて,慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息の増悪が細菌感染やウイルス感染で惹起され,高齢者人口の増加にともなって患者数が増加している。増悪予防のための管理法が開発されている。