Japanese
English
特集 医療機関における職業感染予防と曝露後の対処
6.結核の職業感染予防
Prevention of the transmission of Mycobacterium tuberculosis to health-care workers
永井英明
1
Nagai Hideaki
1
1国立病院機構東京病院 外来診療部長
キーワード:
結核
,
院内感染対策
,
IGRA
Keyword:
結核
,
院内感染対策
,
IGRA
pp.60-64
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201407060
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わが国は結核の中蔓延国であるが,結核は患者数の減少とともに過去の疾患とみなされるようになり,医療従事者の結核に対する関心は薄れ,初診から診断まで1カ月以上を要した症例(診断の遅れ)が20%を超えている。この間に院内感染を広げる可能性がある。臨床現場では常に結核患者に遭遇する機会があり,医療従事者は結核についての正確な知識をもち,結核院内感染対策の徹底が必要である。結核院内感染対策の基本的な5要素は,〈1〉結核菌の除去,〈2〉結核菌の密度の低下,〈3〉吸入結核菌量の減少,〈4〉接触者の発病の予防,〈5〉発病の早期発見である。もっとも重要な対策は,結核患者のすみやかな診断により結核の感染伝播の鎖を断ち切ることである。