Japanese
English
特集 細菌の進化から考える抗菌薬耐性
6.MRSAのもつβ-ラクタム系薬耐性機構
Genetic basis for β-lactam resistance in MRSA
伊藤輝代
1
,
相羽由詞
2
,
片山由紀
3
,
平松啓一
4
Ito Teruyo
1
,
Aiba Yoshitsugu
2
,
Katayama Yuki
3
,
Hiramatsu Keiichi
4
1順天堂大学医学部細菌学教室/順天堂大学大学院感染制御科学 先任准教授
2順天堂大学大学院感染制御科学
3順天堂大学医学部細菌学教室 助教
4順天堂大学医学部細菌学教室/順天堂大学大学院感染制御科学 教授
キーワード:
mecA
,
blaZ
,
SCCmec
,
MLST
,
高度耐性
Keyword:
mecA
,
blaZ
,
SCCmec
,
MLST
,
高度耐性
pp.72-79
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401072
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ペニシリンが実用化されるとその直後にはペニシリン耐性菌が出現し,ペニシリン耐性菌に有効なメチシリンが実用化されるとその翌年にはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が出現するなど,黄色ブドウ球菌は新規化学療法剤が開発されると常にいち早く,それら薬剤に対する耐性を獲得してきた。初期には有効であったカルバペネム系薬に対しても耐性化し,MRSAはほとんどのβ-ラクタム系薬に対して耐性を示す。本稿では可動性遺伝因子(mobile genetic elements:MGE)獲得とブドウ球菌ゲノムの変異の2つの視点から,これらの薬剤耐性がどのように獲得されてきたかを考察する。